クリーニングする衣類の素材や繊維の特徴のまとめ
衣類に使われる繊維は大きく分けて、天然繊維と化学繊維に区別できます。
天然繊維は自然に由来したもので、その中でも綿(コットン)や麻などの植物繊維と毛(ウール)や絹(シルク)や羽毛(ダウン・フェザー)といった動物繊維に細かく分けられます。
一方、化学繊維はレーヨン、キュプラ、テンセルなどの再生繊維、アセテート、トリアセテートなどの半合成繊維、ナイロン、ポリエステル、アクリル、ポリウレタンなどの合成繊維に細かく分けることができます。
それぞれの素材に特徴があり、クリーニングをする際にもこれらの特徴を把握したうえで、クリーニングに臨む必要があります。
それでは、素材別にそれぞれの特徴を学んでいきたいと思いますので、クリーニングの際のご参考にしていただければと思います。
まず、素材ごとに特徴があり、クリーニングによって、衣類が縮んだりして型崩れしたり、色あせしたりしますので、当然ながらクリーニング方法が異なります。
自分で洗濯をして、型崩れしてしまったり、色あせてしまうなどの失敗をしてしまう原因のほとんどは衣類の素材の特徴や衣類の素材自体を理解しないまま洗濯してしまうことによる失敗がほとんどでしょう。
そもそも衣類には洗濯表示が義務付けられているために、はじめて洗濯する際には衣類の洗濯表示を確認して、繊維の素材確認をするようにしなくてはいけません。
そして、その洗濯表示に沿ったクリーニングをするように心掛けて、自分ではクリーニングが出来ない場合は専門のクリーニングサービスを利用するようにしましょう。
それでは早速、素材別の特徴を記したいと思います。
天然素材 植物繊維
綿(コットン)
・汗や水をすいやすい。濡れても丈夫である。
・洗濯や漂白が容易である。
・乾きにくい。シワになりやすい。
麻
・滑らかである。冷感がある。
・シワになりやすい。シワが伸びにくい。
・摩擦によって毛羽立ちやすい。
天然素材 動物繊維
毛(ウール)
・吸湿性・保温性がある。暖かい。
・虫害がおこりやすい。
・水にぬれた状態で動かすと繊維が絡み合い縮んでしまう。
・アルカリに弱い。
絹(シルク)
・細くしなやかな感触で光沢がいい。
・吸湿性がいい。虫害にあいやすい。
・日光などで変色がしやすい。
・アルカリに弱い。
羽毛(ダウン・フェザー)
・水鳥の羽の総称である防寒性に優れる。
・軽く、やわらかく、保温性があり暖かい。
化学繊維 再生繊維
レーヨン
・吸湿性、吸水性が高い。
・水にぬれると、強度が低くなり縮みやすくなってしまう。
・シワになりやすい。
キュプラ
・細くて光沢があり、吸湿性・吸水性がある。
・高級裏地として主に使用されている。
・レーヨンよりは強いが水に弱く縮みやすい。
テンセル
・独自の光沢がある。
・レーヨンより水の迫害はおこりにくいが摩擦などでスレがおこりやすい。
化学繊維 半合成繊維
アセテート トリアセテート
・シルクに似た光沢と風合いがある。
・酸化窒素ガス(排気ガスなど)で変色をおこす場合がある。
・除光液などで溶けてしまう。
化学繊維 合成繊維
ナイロン
・摩擦や折り曲げ、引張りには非常に強い。
・吸湿性、吸水性が小さい。
・シワになりにくい。熱に弱い。
ポリエステル
・軽くて丈夫である。吸湿、性吸水性が小さい。
・シワになりにくい。型崩れしにくい。
・熱に弱い。静電気で黒ずみやすい。
アクリル
・軽くて、保温性があるので暖かい。
・毛玉ができやすい。静電気で汚れやすい。
・熱に弱く、変形しやすいので干し方に注意が必要。
ポリウレタン
・ゴム糸のように伸縮性・弾力性がある。
・シワになりやすい。伸びにくい。
・約3年ほどの時間経過で劣化する。
といった特徴がありますので、ご自分でクリーニングする際や、クリーニング専門業者に出すか迷っている際のご参考にしてみて下さい。